k-nakama: 井上房一郎邸。 . 実は、この家は、 名作住宅の、 そっくりそのままの、コピーです。 . オリジナルは、 アントニン・レーモンドの自邸。 . この家を建てた、井上房一郎という
k-nakama: 井上房一郎邸。 . 実は、この家は、 名作住宅の、 そっくりそのままの、コピーです。 . オリジナルは、 アントニン・レーモンドの自邸。 . この家を建てた、井上房一郎という人と、 建築家レーモンドの関係についても、 いろいろと、お話はあるのですが、 それはまた、別の機会に。 . ともかく、1951年、 当時建ったばかりの、 レーモンドの自邸を訪ねた井上房一郎は、 その設計をとても気に入り、 図面の提供を受け、さらに、大工に実測をさせ、 翌1952年、 東西は反転していますが、 そっくりそのままのコピーを、 設計者公認で、建ててしまったというわけです。 . 中に入ってみると、 建物を支える丸太が、 むき出しになっています。 . 元々は、戦後まもなく、 材料不足の時代の工夫として、 安価な足場用の丸太を剥いて、組上げる手法が、 レーモンドによる、 この表現のはじまりだったのだそうです。 . ただ、 その直截さ、単純さ、経済性など、 レーモンドが大切にしていた建築の原則が、 非常によく表現されていたためか、 その後も多用されることになり、 今では、このスタイルは、 「レーモンド・スタイル」、 なんて呼ばれるようにもなりました。 . 建物の真ん中辺りには、 屋根の架かった中庭(パティオ)があり、 庭に向かって、大きく開かれています。 . 庭の自然を、居住空間の一部、 と考えていたというレーモンド夫妻は、 しばしば、ここで食事をしていた、といいます。 . 実際、 レーモンドについての本を見ると、 必ず載っている、 ここで食事をしているレーモンド夫妻の写真があります。 . 両側は、建物に囲われ、 透明な素材の屋根が架かり、 その先には、庭の緑が見えるパディオで、 テーブルについて、夫婦で食事をしている、 大層気持ちがよさそうな、いい写真です。 . 外観も、落ち着いていて、 和風な感じもありながら、 どこか、モダンな感じもあります。 . レーモンドの事務所に、 在籍していたこともある、 前川國男の自邸なども思い出されます。 . ここに、 日本における、木造モダン住宅の源流の一つがある、 ということなのかもしれません。 . 実は、 このレーモンド自邸のコピー、 この井上房一郎邸以外にも、 もう一軒あるのだそうです。 . 日本住宅公団による名作団地、 今ではなくなってしまった阿佐ヶ谷住宅の設計に関わり、 レーモンドの事務所にも在籍していたことのある、 津端修一さんの自邸が、それです。 . オリジナルの、レーモンド自邸の方は、 今では残っていないのですが、 2つのコピーの方は、現存していて、 その雰囲気を今に伝えている、というわけです。 . こんなかたちでの、 名作住宅の保存のされ方というのも、 アリかもしれませんね。 . http://knakama.seesaa.net/article/388077076.html . -- source link
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